「ミスティック・リバー」

一転、ビューティフルならぬ悪夢に追われる男の話でした。子供の頃に誘拐されて監禁された男が悪夢に追われ、現実との接点ギリギリに居たのだけど、友人の娘が殺されたのを機に転落してその友人に殺されるという筋で。その男の描き方がPTSDの描き方としては、すごくよく描き方をされていました。安易なものに持ってゆかずに、じっくりしっとりと描き出していたのはとても、上手だった。
(どんな描き方かは観てのお楽しみ)ここ数年、ちゃんとテレビ観てないから、予告も知らずにどんな映画か知らないで観たのですが、知ってたらこの二本を続けて観るなんてことはしねーよ!バカ!って。
とてもいい映画でした。脚本がすごい。やっぱりすごい。

ミスティック・リバー」はどうしても、ショーンペンを見ずにティム・ロビンスを中心に観てしまったんだけど、彼が殺人を犯すシーンで「オレと少年」って表現してしまうのとか、悪夢を物語に置き換えて子供に話してるシーンとか、ぞっとするほど悲しかった。吸血鬼の話のシーンで、「目覚めたら忘れてるのがbeautifle thing」という表現だったりして、言葉一つ一つが詩的で良かったです。

結末に違和感があったので、ちょっと調べたら、
http://www.jtnews.jp/cgi-bin/revpick.cgi?TITLE_NO=7818&REVPER_NO=22229

ここの<映画の定番「一番の悪者はやっぱりケビンベーコンだろうが!」>という解釈に笑いました。このひとスルドイ!