こころの情報学

saikiman2004-08-21

「こころの情報学」西垣通著 ちくま新書
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480058044/249-6160906-0460367
オートポイエーシスってなんだ? と調べてたら出てきたので読んでみました。
<人の心とは情報が織りなすダイナミックなプロセスなのである>
情報というのは一体なんなのか、またその情報が人に与える影響とは?ということについて、言語学やら社会学やら動物行動学やらアフォーダンスやらオートポイエーシスやらの理論を合同して考えてみようという書物でした。
新書という体裁のためか、個々の事例がちょっとさらっとしてて。読んでみると流れに流されてしまうけど、もう一度ゆっくり読むと段々形が見えてくるような気がします。オートポイエーシスアフォーダンスの下りなんかは初心者(僕だ僕)には、いったいどういうことなのか、ちょっとややこしい論理のようで、理解が追いついていかない(バカじゃないか!僕が!)のがいささか苦しい気もするけど。読んでみるとだいたい「情報学」というのはこういう風に進んでいるのかと思ったりもします。文系的な考え方でいえば、言語学とフォルマリズムから始まった研究が、やがてカルチュアルスタディーズに発展したという感じなのかな。視覚情報を認知するのは、その視覚だけではなくさまざまな文脈によって規定される。その文脈をどう「見る」のかということがアフォーダンスオートポイエーシスだったりするのだ、ということなんだろうか。ちゃんと理解できたかどうかわからんので、間違ってたりするとアレなんで、もっと追っかけてみたい分野の書物でもあると思う。