松本剛

甘い水

 って漫画家の作品が好きだ。
 10年ぶりぐらいの単行本「甘い水」をことこ邸より拝借してきてやっと読んだ。あんまり出回らないし古本屋にも見かけないんで、ずっと買いそびれたままだった。
 ストーリーはオーソドックスで絵に派手さもなくていかにも「売れる」漫画家じゃない。でも、少年少女の表情とか感情とかがすごく上手く表現する作家なんだけど、やっぱり目立たなくて、「甘い水」の最後に作品一覧があったけど、一年に数本の漫画を描くぐらいで、単行本として纏められたのは「甘い水」を入れて3作品。
 第一短編集しか持ってなくてその91年に出た「すみれの花の咲く頃」という短編集は何度読んだかわからない。
 多くを語らないんだけど、名手で、その絵や表情が甘酢っぱさと少年の心を上手くとらえてて、キュンときます。
 ほんとオーソドックスだったりするんだけど「甘い水」。分かってるんだけど、今読みおわって泣けてます。

p.s.
 しばらくして思い出しては泣けてます。やばい。