LITTLE WALTER 「Hate To See You Go」

LITTLE WALTER

ブルースなる音楽ジャンルを聴き始めたのは、ジャニスジョップリンやクラプトンやらの、古いロックを聴き始めたときに、ロバート・ジョンソンを聴いてしまったのが、はじまり。でも、そのころ買ってよく聴いたのは、このリトル・ウォルターのアルバムだった。
オデコに傷がある黒人がじっとこっちを見ている強烈なジャケット。
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それまで、聴き始めたものの、ブルースっていうのは暗くじっとりしたもんだ、と思っていた。ジャニスにしかり、クラプトンにしかりロバジョンにしかり。でも、このアルバムはぜんぜん違う。
暗い感じではなくて、非常にビートが激しく、もっとR&Bに近くて、ポップなのであった。
一曲目の「Nobody But You」から、大音量の力強いボーカルとブルースハープ。「Oh Baby」なんてむちゃくちゃポップでボーカルが迫ってくるような感じが凄くて、こんなに力強い音楽があってよいものかとも思ったし、所々はさまれるギターは、小気味よくも高度な技術で、素直に参りました。

  • 「Mellow Down Easy」は変調子のリズムが歌の後ろでずっと続いててやがて、ブギー(通常の3コード)になってゆくという曲で、これも踊れるような、非常におもしろい曲だ。「Everybody Needs Somebody」はもう有名な曲で、映画ブルースブラザーズでも使われてた曲。でもここではペースを落としてメロウに歌っている。ハープの音も、間違いなくリトル・ウォルターの音で、流れるような、美しい旋律が奏でられる。「Blue Midnight」はインスト。長回しのアンプを通したハープで、ちょっと聴きようによってはジャズにも聞こえる。「Key to the Highway」も有名。クラプトンがディレクアンドドミノスでやってて、細かいオブリガードが似てて、ドミノスのバージョンはこのアルバムのこの曲が元にあったんだ!とか喜んで聴いてました。

このアルバム。リトル・ウォルターのアンプリファイドされたハープの音も太く、真っ向痺れるもので、マディ・ウォーターズよりは、リトル・ウォルターのほうが作曲面や音楽性は優れてると、いま聴いてても、その思いは変わらない。

そして、それから、そこにミュージシャンとして参加している、ロバート・ジュニア・ロックウッドのアルバムを手にするわけだが。